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大腸ポリープができやすい人の特徴は?放置のリスクや切除についても紹介

2026.03.30

大腸ポリープは、大腸粘膜の一部が隆起または平坦化、まれに陥凹することで形成される病変の総称です。大腸ポリープにはさまざまな種類があり、発生しやすいとされる背景や条件があることも知られています。大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、患者さんの状態やポリープの大きさ・形状などを踏まえ、切除が検討されることがあります。そのため、大腸ポリープができやすいと考えられる方は、検査について理解を深めておくことが大切です。

本記事では、大腸ポリープができやすいとされる人の特徴、発生要因として考えられているもの、放置した場合のリスク、発見や切除について、一般的な情報を紹介します。大腸カメラ検査を検討している方は、参考情報としてご覧ください。

大腸ポリープとは

大腸カメラ検査のイメージ図

大腸ポリープは比較的よくみられる病変ですが、検査で指摘されると不安を感じる方も少なくありません。ここでは、大腸ポリープの性質や切除が検討される理由について説明します。

がん化する可能性がある

大腸ポリープの形状はさまざまで、隆起したものや平坦なもの、茎のあるもの、まれに陥凹したものなどがあります。性質によって、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分類されます。腫瘍性ポリープは、サイズが大きくなったり、長期間経過した場合に、大腸がんへ進行する可能性があるとされています。

一方、非腫瘍性ポリープは、一定の条件下では経過観察となる場合もありますが、がん化の可能性が完全に否定されるわけではありません。大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、腫瘍性が疑われるものは切除が検討され、小さな非腫瘍性ポリープでは経過観察が選択されることもあります。

大腸にポリープができる原因とは

大腸ポリープの発生については、明確な原因が特定されているわけではありません。ただし、遺伝的要因、生活習慣、年齢、性別などが関与している可能性があると考えられています。

生活習慣の見直しによって、大腸ポリープの発生リスクを低減できる可能性が指摘されており、日常生活の改善が重要とされています。

大腸ポリープができやすいとされる人

動物性たんぱく質や脂質の多いステーキ・ビール等の食事

大腸ポリープができやすいとされる人は、以下のとおりです。

  • 家族に既往歴がある人
  • 生活習慣病がある人
  • 飲酒習慣がある人
  • 動物性たんぱく質・脂質の多い食事を好む人
  • 喫煙する人
  • 運動不足の人
  • 肥満の人
  • 年齢(40歳以上)・性別(男性の方が多い)

ここでは、大腸ポリープの発生と関連があると考えられている要因について紹介します。

家族に既往歴がある人

家族や近親者に大腸がんや大腸ポリープの既往歴がある場合、発生リスクが高まる可能性があるとされています。

  • 家族性大腸腺腫症
  • リンチ症候群

これらは遺伝子の変化が関与する疾患で、遺伝性大腸がんと呼ばれています。該当する家族歴がある場合、医師と相談のうえで検査時期を検討することが勧められます。

生活習慣病がある人

高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は、大腸ポリープの発生と関連する可能性が指摘されています。慢性的な炎症や代謝異常が腸粘膜に影響を及ぼすと考えられています。40歳以降では、生活習慣病とともに大腸ポリープの発生頻度も高まる傾向があるため、検査を検討するきっかけとなる場合があります。

飲酒習慣がある人

飲酒習慣と大腸ポリープとの関連が報告されています。特に飲酒量が多い場合、肥満や生活習慣病を介して間接的に影響する可能性があると考えられています。飲酒は、コミュニケーションやストレス発散に役立つこともありますが、大腸ポリープを予防するためには、上手な付き合い方が必要です。

動物性たんぱく質・脂質の多い食事を好む人

昨今は日本人の食生活の欧米化により、動物性たんぱく質や脂質を多く摂るようになりました。動物性たんぱく質や脂質の摂取量が多い食生活は、腸内環境に影響を与える可能性があります。食物繊維不足による便秘も、腸内滞留時間を延ばす要因の一つとされています。

喫煙する人

喫煙は大腸ポリープや大腸がんの発生リスクと関連することが報告されています。タバコに含まれる有害物質が細胞に影響を及ぼす可能性があると考えられています。

運動不足の人

運動習慣は、腸管運動の促進や体重管理に寄与するとされています。そのため、運動不足は間接的に大腸ポリープの発生と関連する可能性があります。

例えば有酸素運動なら、ウォーキングを1日30分以上、日常生活の中であれば階段の利用を増やすなど、最初は軽めに始めて徐々に運動量を増やしていくとよいでしょう。

肥満の人

肥満は慢性的な炎症やホルモンバランスの変化を伴うことがあり、大腸ポリープの発生リスクと関連する可能性が指摘されています。

年齢・性別

大腸ポリープは40歳以降に発生頻度が高まるとされ、50歳以上で発見されることが多くなります。大腸ポリープの発生率が高まるのは40歳以降ですが、その頃はまだポリープも小さく、症状もほとんど見られません。しかし、できた大腸ポリープが大きくなったり、またはがん化したりすると何かしらの症状が現れてきます。

がん化するには、多くの場合大腸ポリープ発生から10年ほどかかるといわれています。ごくまれに陥凹型腫瘍は急速にがん化することがあります。大腸カメラ検査は50歳まで待たず、40歳を過ぎたらまず1回受けて、ポリープがあってもなくても、適切な頻度で定期的に検査するよう推奨されています。また、統計的には男性の方が女性より発生頻度が高いと報告されています。

男性は赤身肉や加工肉、アルコールやタバコなどを多く摂取する機会が多く、肥満や運動不足も女性より問題になりやすいことも背景にあると考えられています。早めの大腸ポリープの発見はもちろんですが、生活習慣の乱れも意識して整えることが大切です。

(参考:「がん情報サービス<がん種別統計情報<大腸」)

大腸ポリープを放置した場合に考えられるリスク

頭を抱えて悩んでいる様子の女性

大腸ポリープの放置のリスクのひとつに大腸がんへの進行があります。ここでは、大腸ポリープを発見しないまま放置することのリスクについて紹介します。

症状が現れる可能性

大腸ポリープは小さいうちは自覚症状が乏しいことが多いですが、サイズが大きくなると腹痛、血便、便通異常などがみられる場合があります。経過を確認するためにも、定期的な検診が重要です。

悪性化の可能性

腫瘍性ポリープの多くは、長期間の経過で悪性化する可能性があるとされています。ポリープの大きさとがん化のリスクには関連があると報告されています。放置して大きくなると悪性化のリスクが高まるため、放置せず早い段階で切除を検討することが大切です。

出血・貧血

大腸ポリープを放置することで大きくなると、同時に血管も増えるため、出血しやすくなります。がんや大きなポリープは一般的に表面が脆く、便が通過したり炎症を起こしたり、潰瘍化することなどで出血します。さらに、大きくなることで周囲の血管を圧迫したり傷つけたりするのも出血の原因です。ポリープが大きくなることで出血を起こし、貧血につながることもあります。

新たなポリープの発生

切除後も、体質や生活習慣によって新しいポリープが形成されることがあります。そのため、切除後は医師の判断に基づき、定期的な検査が検討されます。推奨される検査頻度は患者さんによっても異なるため、医師と相談して適切な頻度での検査を受けましょう。

大腸ポリープの発見・切除について

大腸ポリープの発見から切除までの順序を表したイラストのイメージ図

大腸ポリープは大腸カメラ検査を受けることで発見できますが、実は同時に切除もできます。ここでは、大腸ポリープの発見と切除について、押さえておきたいポイントを紹介します。

大腸カメラ検査による発見と切除

大腸カメラ検査では、ポリープの発見と同時に切除が可能な場合があります。すべてのポリープが対象となるわけではなく、大きさや性状によっては別途対応が必要となることもあります。切除できる場合は日帰りで行えて、切除自体には痛みもほとんどなく、時間も20〜30分程度で終わることが一般的です。

便潜血検査が陽性の場合

便潜血検査で陽性となった場合、精密検査として大腸カメラ検査が行われることがあります。大腸カメラ検査では、病変が見つかった場合に治療で切除したり生検するなど組織検査が可能であり、疾患の確定診断も可能です。

上でも紹介した通り、大腸ポリープの早期発見は大腸がんの予防につながるため、年齢が40歳以上であったり、家族に既往歴があったりする場合は、大腸カメラ検査を検討しましょう。

健康保険の取り扱い

症状がある場合やポリープ切除を目的とする場合など、条件によって健康保険が適用されます。大腸カメラ検査が健康保険適用となることがあるのは、主に以下のような場合です。

  • 症状があって検査を受けた場合
  • 症状の有無に関わらず大腸ポリープが見つかった場合
  • 大腸ポリープの切除目的の検査
  • 健診や腫瘍マーカー検査などの結果で要精密検査だった場合
  • 大腸疾患をもっている、その他症状があるなどで医師に勧められた場合

保険適用になると切除手術だけでなく、診察や事前の検査、術後の受診、投薬についても保険適用となるため、多くの人が3割負担での計算となります。一般的には大腸カメラ検査時のポリープ切除で約2〜3万円が目安です(医療機関によって異なる場合があります)。

何も症状がなく、健康診断として希望して大腸カメラ検査を受け、病変もなく観察のみで終えた場合は自由診療と見なされるため、医療機関で設定した金額になります。費用や適用範囲については、医療機関での説明を確認することが重要です。

まとめ

大腸ポリープは、発生要因が複合的で、誰にでも起こり得る病変の一つです。できやすいとされる背景を理解し、必要に応じて検査を検討することが重要とされています。横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニックでは、検査に関する一般的なご相談にも対応しています。大腸カメラ検査について不安や疑問がある場合は、医療機関へご相談ください。

記事監修者

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック

院長・医学博士

久行 友和

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長・医学博士 久行 友和

経歴

  • 2003年3月
    昭和大学医学部卒業
    その後昭和大学横浜市北部病院消化器センターとその関連病院勤務
  • 2015年11月
    昭和大学横浜市北部病院消化器センター 講師
  • 2022年4月
    昭和大学横浜市北部病院 人間ドック室 室長兼任
  • 2023年11月
    横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長

資格

  • 日本消化器内視鏡学会 学術評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 指導医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本消化管学会認定 消化管専門医・指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 日本大腸検査学会 評議員
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