胃がん・胃粘膜下腫瘍

胃がん

胃がんとは

胃がんは、2021年のがん種別死亡率で男性3位、女性5位と上位にあり、男女とも50代以降から罹患する人が増加傾向にあります。 一般的に早期胃がんから進行がんになるには数年かかると考えられています。 早期がんであれば、内視鏡的治療で5年生存率は95%といわれていますので、早期発見・早期治療のため定期的な検診がとても大切です。

【画像】お腹をおさえる女性

胃がんリスクが高い人

  • 慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの既往歴がある
  • ご家族に過去胃がんを患われていた方がいる
  • ご家族に大腸腺腫症を患われている方がいる
  • 過度なアルコールや喫煙、偏った食生活を長年している
  • ピロリ菌に感染したことがある

症状

胃がんは初期段階では自覚症状があまり現れず、進行すると吐き気や貧血、食欲不振などの症状が現れます。 しかし、これらの症状が出てからでは、すでに胃がんが進行していることもあります。

原因

胃がんの原因は複数ありますが、主な要因の一つとして、ピロリ菌の感染が挙げられます。 ピロリ菌とは、胃の粘膜に感染し、炎症を引き起こす菌です。
このピロリ菌の感染は、胃がんのリスクを高めると考えられており、胃の粘膜に長期間にわたって炎症が続くことも原因です。
バリウム検査や胃内視鏡検査を定期的に受けることで、がんの病変を初期段階で発見でき治療へとつなげることができますので、症状がなくても検診を受けましょう。

当院の診断・治療法

特に内視鏡検査での診断が重要です。 定期的な検査を受けるようにしましょう。 内視鏡検査で組織の一部を採取し、病理検査を行います。 胃がんの治療に関しては連携医療機関に紹介させていただきます。
治療法には、ステージや転移の有無によって手術や内視鏡的治療、薬物療法などが選択されます。早期段階で発見された場合、内視鏡的治療で治療が可能です。
治療後の内視鏡は当院で行えますので、定期的な検査でフォローアップをいたしますのでご相談ください。

胃粘膜下腫瘍

胃粘膜下腫瘍とは

ポリープやがんは粘膜の表面に発生しますが、胃粘膜下腫瘍は、消化管の粘膜の下に腫瘍ができます。
多くは良性ですが、悪性のものもあり、組織によって種類がいくつかあります。 良性なのは「異所性膵(迷入膵)」、「平滑筋腫(へいかつきんしゅ)」「リンパ管腫」など、悪性なのは「GIST(消化管間質腫瘍)」、「肉腫」、「悪性リンパ腫」などがあります。
胃粘膜下腫瘍は一般的に無症状であるため、偶然の検査や他の胃病の診断中に発見されることがあります。小さいうちは経過観察しますが、大きくなっている、潰瘍があるなどがあれば手術を念頭に追加検査を行います。

症状

粘膜下腫瘍の多くの症状は、ほとんどありません。
腫瘍が大きくなると、胃もたれがでたり、潰瘍ができて出血する場合があり、吐血や下血などの症状が現れることもあります。

原因

粘膜下腫瘍の正確な原因は未だ不明です。 遺伝的要素や胃内菌の関与などが考えられています。

検査

正常な粘膜の下に腫瘍が隠れておりますので、通常の内視鏡の生検とは違う方法で採取します。 超音波内視鏡下穿刺吸引という方法です。
この方法は、超音波内視鏡で病変を確認しながら、組織を針で刺して吸引し採取します。 そのほか、CT検査やPET検査で病変の大きさや、正確な場所、転移などを確認します。

治療法

粘膜下腫瘍の治療法は、腫瘍の性質や進行具合によって異なります。 良性の粘膜下腫瘍の場合には、定期的な観察が行われることがあります。 一方、悪性の場合には、腹腔鏡手術による腫瘍の切除が主な治療法となります。 その際、腫瘍の組織を検査し、正確な診断が行われることが重要です。

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