慢性胃炎・アニサキス症

慢性胃炎

慢性胃炎とは

慢性胃炎は、胃の内壁が長期間にわたり炎症を起こす慢性的な状態のことをいいます。

急性胃炎は、炎症は軽度から中程度であり数日から数週間で症状が改善し、胃の組織への損傷は一般的に少ないですが、慢性胃炎は、胃の組織が長期間にわたって炎症を続け、胃の組織が傷つき、潰瘍やがん化する可能性があります。

症状

胃もたれや不快感、胃の痛み、吐き気、食欲不振などが挙げられます。また、胃酸の逆流による胸やけや、食事後に出る強い悪心感も見られることがあります。

原因

慢性胃炎の原因は多岐にわたりますが、最も一般的な原因はピロリ菌感染や胃酸過多です。ピロリ菌は胃の粘膜に感染し、炎症を引き起こすことがあります。一方、胃酸過多は胃粘膜を刺激し、炎症を引き起こす要因となることがあります。

また、ストレスや食生活の乱れ、アルコールの過剰摂取なども慢性胃炎の原因として考えられます。さらに、過度なコーヒーや薬の摂取、便秘なども慢性胃炎を引き起こす可能性があります。

慢性胃炎の症状や治療法、そして原因について理解し、早期の対策を行うことが大切です。

当院の診断・治療法

慢性胃炎の治療法は、その原因や症状の程度によって異なります。まずは原因となっている要素を排除することが重要です。ストレスや過食、飲酒、喫煙を避けるだけでなく、食事内容や食事時間の見直しも大切です。さらに、ピロリ菌感染による慢性胃炎の場合は、抗菌薬と合わせてピロリ菌の除菌治療も行います。

アニサキス症

アニサキス症とは

アニサキスは、アジ、イカ、サバ、イワシ、サンマなどの魚介類に寄生している寄生虫です。
内臓に寄生していますが、魚介類が死亡すると筋肉に移動します。長さ2〜3cm、幅は0.5〜1mmくらいで肉眼でも確認できます。
十分な加熱や冷凍で死滅しますが、生で食べることで胃壁や腸壁を刺入し、食中毒(アニサキス症)を発生します。

【画像】腹部を手でおさえる女性

症状

アニサキス症の主な症状は、胃の痛みや腹痛、吐き気、嘔吐です。
胃に入った場合は食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
腸に入った場合は、食後数十時間後に激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。

原因

アニサキス症の主な原因は、魚介類の生食です。生の魚介類には、未加熱のままでアニサキスの幼虫が存在していることがあります。加熱することでアニサキスは死滅し、安全に食べることができます。
しかし、寿司や刺身などの魚介類を生で食べることが多い日本では、アニサキス症の発症リスクが高いです。
丸ごと1匹を処理する際は内臓は生で食べないようにし、すみやかに取り除きましょう。 目視で確認できることがありますので、よく確認して取り除いてください。
アニサキス症の治療法は、アニサキスの除去が主な方法となります。
胃アニサキス症の場合、感染したアニサキスを胃内視鏡で確認し、取り除くことで治療が行われます。
重症化した場合や腸閉塞を引き起こしている場合には、手術が必要となることもあります。
アニサキス症は早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。

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