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大腸ポリープの症状とは?検査方法や治療法・がんの確率について紹介

2026.03.30

大腸ポリープは、初期の段階では自覚症状がほとんどないことが多く、検査を行わないと発見されない場合があります。一方で、ポリープが大きくなると、さまざまな症状が現れることがあります。特に、はっきりとした原因が思い当たらない腹痛や腹部の違和感が続く場合、大腸ポリープが関与している可能性も考えられます。

本記事では、大腸ポリープにみられる症状、発見のための検査方法、治療法、がん化との関連について、一般的な情報を紹介します。大腸ポリープは、発見されずに経過した場合、状態によっては大腸がんへ進行する可能性があるとされているため、どのような症状がみられることがあるのかを知っておくことが大切です。

大腸ポリープ症状チェックリスト

お酒の入ったグラスとたばこを持つ手元

以下は、大腸ポリープでみられることがある症状の例です。当てはまるものがある場合は、参考として確認してみてください。

  • 便に血が混じる、または血が付着していることがある
  • お腹が張っているように感じる
  • おならのにおいや回数が変化した
  • 便が細くなった、形がいびつになった
  • 腹痛を感じることがある
  • 下痢と便秘を繰り返す

大腸ポリープは小さいうちは自覚症状が乏しいことが多いですが、これらの症状がみられる場合、ポリープが大きくなっている可能性も考えられます。症状が繰り返し現れる場合や、気になる点がある場合は、自己判断せずに消化器内科などの医療機関へ相談することが大切です。

大腸ポリープができやすいとされる方

大腸ポリープの発生原因は明確に特定されているわけではありませんが、できやすいとされる方には、いくつかの特徴があると考えられています。

  • 家族に大腸ポリープや大腸がんの既往歴がある
  • 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がある
  • 飲酒習慣がある
  • 動物性たんぱく質や脂質の多い食事を摂りがち
  • 野菜の摂取量が少ない
  • 喫煙習慣がある
  • 運動不足
  • 肥満
  • 40歳以上

遺伝的要因に加え、生活習慣の影響も大腸ポリープの発生と関連している可能性が指摘されています。症状がない場合でも、年齢や体質に応じて検査を検討することが、大腸がんの早期発見につながると考えられています。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープの症状が出て不安そうにしている様子のイラスト

大腸ポリープは小さいうちは症状がほとんどありませんが、サイズが大きくなるにつれて、以下のような症状がみられることがあります。

  • 血便
  • 粘液便
  • 腹部膨満感
  • 便が細くなる
  • 便のにおい・形状・色の変化
  • おならが多い・においが強い
  • 腸閉塞

ここでは、それぞれの症状について詳しく解説します。なお、症状のみで大腸ポリープかどうかを判断することはできないため、気になる症状がある場合は医療機関での相談が重要です。

血便

大腸ポリープが大きくなると、便が通過する際に表面が傷つき、出血することがあります。出血部位によって、暗赤色から鮮紅色まで色調はさまざまです。目で確認できない微量の出血は、便潜血検査で発見される場合があります。

粘液便

大腸ポリープがあると、粘り気のある便(粘液便)がみられることがあります。粘液は腸粘膜から分泌される分泌物で、通常でも多少便に含まれていますが、大腸がダメージを受けると防御反応で粘液の分泌が増加します。粘液の量が多い、色が通常と異なる状態が続く場合は、腸の異常が関与している可能性があります。

腹部膨満感

腹部膨満感とは、食べ過ぎたりガスが溜まったりすることで、お腹が重く感じる・張るなどの不快感を指します。ポリープが大きくなることで腸管が狭くなり、ガスや便が溜まりやすくなると、腹部の張りや不快感が生じることがあります。このような症状がみられる場合、他の大腸ポリープの症状や不調がないかどうか気をつけてみましょう。

便が細くなる

便は直径3〜4cmほどあることが一般的とされていますが、大腸ポリープが大きくなると、腸の一部が狭くなることで、便が細くなったり、排便後に残便感を感じたりすることがあります。特に大腸ポリープの好発部位である直腸やS状結腸は肛門に近いため、便が細くなりやすく、出血に気付きやすい他、排便後もポリープによる刺激で残便感を生じることがあります。

便のにおい・形状・色の変化

腸内環境の変化や炎症などにより、便のにおいや形状、色に変化が現れることがあります。上で紹介した血便や粘液便のように、色や表面など目で見て分かる変化の他に、表面がツルツルしていなかったり、においが強くなったりといった変化にも目を向けましょう。日頃から便の状態を観察し、変化に気付くことが大切です。

おならが多い・においが強い

腸内でガスが増加すると、おならの回数が増えたり、においが強くなったりすることがあります。1日のおならの回数には個人差がありますが、これまでと比べて回数が増えたり、においが強くなった場合は、腸の不調や腸内環境の乱れが起きているかもしれません。

腸閉塞

まれに、ポリープが大きくなることで腸閉塞を引き起こすことがあります。突然、激しい腹痛や吐き気・嘔吐が現れ、きりきりとした痛みが強くなったり弱くなったりを繰り返すのが特徴です。

嘔吐は、酸っぱい胃液や苦い胆汁の逆流から始まりますが、進行すると腸の内容物が逆流するため、便のようなにおいがする吐しゃ物が見られることがあります。強い腹痛や嘔吐などの症状が現れる場合は、早急な対応が必要となります。

大腸ポリープを発見する検査

検診の結果用紙の消化器系検査の欄をルーペで拡大している

症状や状況に応じて、以下のような検査が行われます。大腸ポリープを発見する検査について、詳しく紹介します。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査では、大腸ポリープの発見に加え、条件が合えば切除や組織採取が行われることがあります。直径9〜12mm程度のスコープを肛門から挿入し、先端に搭載されたカメラで直接腸内を観察します。鎮静剤を使用することで、不快感が軽減される場合もありますが、感じ方には個人差があります。

鎮静剤の他にも、検査時の苦痛軽減のためにさまざまな取り組みをしているクリニックが多いため、不安な場合は事前に相談しておくと安心して受けやすくなるでしょう。

その他の検査

大腸ポリープを発見する検査は、大腸内視鏡検査の他にもいくつかあります。さまざまな理由で大腸内視鏡検査では観察できない場合や、患者さんの都合で受けられない場合などに行える検査です。

以下は、大腸内視鏡検査以外で大腸ポリープを発見するために行われる検査の一例です。

便潜血検査
  • 微小な血液でも検出が可能
  • 便を採取するだけのため検査しやすいが出血していないポリープは検出できないことがある
  • 大腸がんのふるい分けに有用
カプセル内視鏡検査
  • カプセル内視鏡を飲む検査
  • 手術後の癒着などでスコープを挿入できない場合に可能
  • カプセルは回収不要
  • ポリープ切除・生検ができない
CTコロノグラフィ
  • CTを利用できる
  • 手術後の癒着などでスコープを挿入できない場合に可能
  • 身体への侵襲が少ない
  • ポリープ切除・生検ができない
下部消化管造影検査(注腸検査)
  • 肛門からバリウムを入れ、レントゲンを撮影する
  • 大腸の全体像が観察できる(ポリープの位置が分かる)

これらの検査は、状況に応じて選択されることがあります。

大腸ポリープの治療法

大腸ポリープを切除する手順をイラストで表したフロー図

大腸ポリープの治療は、ポリープの大きさや性状などを踏まえ、医師が判断します。内視鏡による切除が可能な場合もあれば、経過観察や外科的治療が選択されることもあります。大腸ポリープを切除する場合の治療法を紹介します。

ポリペクトミー

ポリペクトミーは内視鏡で行う大腸ポリープの治療法で、ポリープの大きさや形状によって日帰りで行える場合があります。スネアと呼ばれるループ状のワイヤーを内視鏡の先端から出し、ポリープにかけて縛って切除します。高周波電流を用いる方法(hot)と、電流を流さずに切除する方法(cold)の2つの切除方法があります。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

内視鏡的粘膜切除術(EMR)も大腸内視鏡で行われます。ポリープの下に局所注射で生理食塩水を注入しポリープを持ち上げ、スネアで縛り高周波電流で切除します。日帰りでできる場合と、1〜2日程度の入院が必要な場合とがありますが、どちらも回復期間はそれほど長くはかかりません。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も大腸内視鏡で行える切除術です。ESDはスネアではなく高周波ナイフで切除します。スネアではなく高周波ナイフで切除するため、直径20mm程度の比較的大きなポリープでも対応できる場合があります。

EMRよりは入院期間が長くなりますが、合併症などがなければ数日程度で退院できます。最近では日帰りESDの場合もあります。

外科的手術

大腸ポリープが20mm以上(目安)と大きい場合や、がん化してリンパ節への転移が認められる場合などに選択される切除法です。

腹腔鏡手術やロボット手術・開腹手術などがあり、患者さんの病態や生活背景・年齢・希望などを聞き、適切な治療法を選びます。開腹手術は患者さんの負担が大きく回復にも時間がかかりますが、患部を直接見ながら処置できるのが利点です。

大腸ポリープとがん化の可能性

両手で押さえている腹部(大腸)が半透明のイラストで浮かび上がっている

大腸ポリープは40歳以降に発生頻度が高まるとされており、一定期間の経過でがん化する可能性があるものもあります

ポリープの大きさとがん化の可能性には関連があるとする報告もありますが、具体的な割合には幅があり、個々の状況によって異なります。大腸ポリープも大腸がんも、初期のうちは自覚症状がほぼありません。症状が現れている場合には、何らかの異常が生じている可能性もあるため、早めの検査が重要とされています。

まとめ

大腸ポリープは、小さいうちに発見されると良性であることが多く、適切な対応により、その後のリスク低減が期待されます。一方で、大きくなるにつれて症状が現れ、状態によってはがん化の可能性も高まるとされています。症状がないからといって安心せず、年齢や体質に応じて検査を検討することが大切です。

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニックでは、検査に関する一般的なご相談にも対応しています。大腸内視鏡検査について不安や疑問がある場合は、医療機関へご相談ください。

記事監修者

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック

院長・医学博士

久行 友和

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長・医学博士 久行 友和

経歴

  • 2003年3月
    昭和大学医学部卒業
    その後昭和大学横浜市北部病院消化器センターとその関連病院勤務
  • 2015年11月
    昭和大学横浜市北部病院消化器センター 講師
  • 2022年4月
    昭和大学横浜市北部病院 人間ドック室 室長兼任
  • 2023年11月
    横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長

資格

  • 日本消化器内視鏡学会 学術評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 指導医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本消化管学会認定 消化管専門医・指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 日本大腸検査学会 評議員
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