大腸ポリープとは
大腸ポリープは大腸の粘膜上にできる小さな組織のかたまりのことを指します。
良性のポリープもありますが、そのまま放置すると大きくなっていき「がん化」するポリープがあります。大きさが20㎜以上になると、50%の確率で大腸がんを発症するといわれており、小さいうちに切除することが大切です。また、小さなうちから早くがん化するポリープもありますので、検査を受けることも重要ですが、診断が重要となります。
大腸ポリープの時点では、便潜血反応陽性になる場合がありますが、自覚症状がほとんどなく、大腸カメラ検査によって発見されます。
そして、早期発見と適切な治療によって将来のがんのリスクを軽減することができますので、定期的に検診を受けましょう。
大腸ポリープの原因
明確な原因は不明なことが多いですが、食生活や家族歴が関与していると考えられています。
高カロリーや加工肉などの食生活
食物繊維を豊富に含む野菜は大腸がんの発症リスクを下げる効果があります。
その反面、高カロリーな食べ物や、赤身の肉を常日頃食べることで発症リスクは高くなるとされています。栄養バランスのとれた規則正しい食生活が大切です。
遺伝的要素
家族歴に大腸がんを罹患した方がいると、大腸がんやポリープができやすい傾向があります。
自覚症状がなくても、定期的に大腸カメラ検査をしましょう。
日帰り手術が可能です
大腸カメラ検査時に、ポリープが見つかった場合はその場で切除が可能です。
検査のついでに手術ができるので、患者さんの通院や体の負担が軽減できます。
時間は検査時間と合わせ20分程ご所要いたします。
ポリープの大きさや、数、形状によって手術ができないものがあります。
その場合は、連携医療機関へご紹介いたします。
どうやって切除するんですか?
切除方法は3つあります。「ポリペクトミー」、「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」、「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」です。
ポリペクトミー
茎のあるポリープでは、内視鏡に特殊なワイヤループ(スネア)をポリープの茎にかけて、高周波電流を流して切り取る方法があります。小さな平坦なポリープはスネアや鉗子で電流を流さずに切除することもあります(コールドポリペクトミー)。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
茎がなく、粘膜に張り付いているポリープに有効です。
粘膜に生理食塩水を注入して病変を持ちあげ、ふくらんだところにスネアをかけて切り取る方法です。
内視鏡的粘膜切剥離術(ESD)
茎がなく、比較的大きなポリープに有効です。
粘膜に生理食塩水を注入してメスで病変の周りを切開し、病変をはがしながら切除する方法です。基本的には入院施設のある病院での治療になります。
ポリープ切除後の過ごし方
- 下血が頻回に出たり、腹痛が治まらないときは当院または救急へ受診してください。
- 下剤により、体は脱水になっています。こまめに水分補給をしてください。
- 切除した当日はアルコールや油っぽい食事はお控えください。
- シャワーは可能ですが、切除当日は入浴は控えてください。翌日から入浴も可能です。
- 激しい運動はお控えください。1週間程度は遠くに行ったり、運動や飲酒は避けてください。
- いきんだり、重い荷物は持たないようにしてください。
- 血液をサラサラにするお薬を服用中の方は医師の説明があります。