食道がん
食道がんとは
食道がんは、食道(食べ物が通る管)の粘膜に発生する悪性腫瘍です。
食道は5つの層で構成されています。一番内側が粘膜上皮(ねんまくじょうひ)、その次に粘膜固有層(ねんまくこゆうそう)、粘膜筋板(ねんまくきんばん)、粘膜下層(ねんまくかそう)最後に、固有筋層(こゆうきんそう)の順にあります。
粘膜の層のどこに「がん」が留まっているか(がんの深さ)をみて、リンパ節の転移の状態、他の臓器への転移をもとにステージ(進行度)が決まります。ステージ0期が「早期がん」、Ⅰ期「転移のない粘膜下層浸潤がん」、Ⅱ期・Ⅲ期「進行がん」、Ⅳ期「切除不能がん」に分類されます。
食道がんは、日本では男性に多く見られ、段階が進行するにつれて治療が難しくなる病気ですので、早期発見・早期治療が重要です。
初期段階では症状がほとんどありませんが、進行していくと現れます。
症状
- 食べ物をのみこむとき詰まる感覚がある
- のどに違和感がある
- 風邪でもないのに声が枯れる
- 食べ物や、熱いものを飲んだときしみる感覚がする
- 体重が減った
- 胸や背中に痛みを感じる
原因
食道がんの原因は明確には分かっていませんが、飲酒や喫煙、胃食道逆流症などがリスク要因とされています。また、食生活の欧米化、食生活の乱れも原因の1つで、遺伝的な要素も関与していると考えられています。
食道がんの検査
胃内視鏡(胃カメラ)検査を行います。
胃内視鏡検査は、カメラのついた極細のスコープを口または鼻から挿入し、食道から胃の中を観察する検査です。バリウム(造影剤)を飲んで行うレントゲン検査もありますが、早期発見するには胃内視鏡検査をおすすめしております。
当院の胃内視鏡検査は苦痛が少なく、消化器内視鏡専門医による豊富な経験で安心して検査が行えます。
当院の診断・治療法
内視鏡検査で組織の一部を採取し、病理検査を行います。
食道がんの治療に関しては連携医療機関に紹介させていただきます。
治療法には、ステージや転移の有無によって手術や内視鏡的治療、薬物療法、放射線治療が選択されます。早期段階で発見された場合、内視鏡的治療で治療が可能です。
治療後の内視鏡は当院で行えますので、定期的な検査でフォローアップをいたしますのでご相談ください。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎は、胃の酸が食道に逆流し、炎症を引き起こす病気です。
最近症状を訴える方が増えています。
胸や胃部の痛み、胃酸がのどや口から上がってくる感覚、嚥下時の痛みなどが特徴的で、 患者さんにとって非常に辛く、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
そのため、症状を軽減させるためには、正しい知識と適切な対策が不可欠です。
どんな人がなりやすい?
- 太っている方
肥満は内圧が高まり、胃酸が逆流しやすくなるため、逆流性食道炎のリスクが高まります。 - 高齢による筋力低下
年齢とともに食道や胃の筋力が低下し、逆流性食道炎の発症リスクが上がることがあります。 - 妊娠中の女性
妊娠中はホルモンの影響で食道の弛緩が起こり、胃酸が逆流しやすくなるため、逆流性食道炎が起こりやすいです。 - 飲酒や喫煙をしている
飲酒や喫煙は胃酸の分泌を促進させるため、逆流性食道炎の発症リスクが上がることがあります。
原因
流性食道炎の主な原因は、胃酸が食道に逆流することです。
胃酸の逆流は、食道と胃のつなぎ目の筋肉の働きが弱まることや、食道の筋肉がうまく収縮しないことが原因となります。
また、胃酸の分泌の過剰も関連しています。
さらに、生活習慣や食事の方法も逆流性食道炎に影響を及ぼします。
食後にすぐに横になったり、眠ってしまう習慣などがある方はなりやすいので注意しましょう。
個人の体質や生活習慣によって影響は異なるため、症状がある場合はご相談ください。
当院の診断・治療法
内視鏡検査を行い他に原因がないか調べたのちに、逆流性食道炎の治療は主に胃酸の分泌を抑制する薬の服用をしていただきます。食べすぎにも注意が必要となります。また、食後の姿勢に気をつけたり、食事を行う際にゆっくりとよく噛むようにすると良いでしょう。
また、肥満や消化機能の低下が逆流性食道炎を引き起こすこともあるため、適度な運動や健康的な生活習慣の維持も重要です。