ピロリ菌

ピロリ菌

ピロリ菌とは

ピロリ菌は胃の中に棲みつく細菌です。
正式にはヘリコバクター・ピロリといって、ほとんどは5歳の間に口から感染するといわれています。
感染に気付いていない大人との箸の共有や、離乳食をかんで与えることが原因です。
近年の感染は減少傾向にはありますが、また、下水道が普及していなかった50代以降の年代の方も感染率が高くなっています。
ピロリ菌の感染は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんのリスク要因の一つでもあります。
ピロリ菌は一度感染してしまうと自然に消滅することはなく、除菌しなければ胃の中にずっと滞在し胃粘膜を傷つけてしまいます。

症状

感染している場合は慢性胃炎となっており、胃もたれなどが起きることがあります。
乱れた食生活やストレスなどの環境因子が加わり、ほとんどの方は慢性胃炎になります。

ピロリ菌の検査

胃内視鏡検査

鏡検法

胃の組織を特殊な薬で染めて、顕微鏡でピロリ菌の有無を確認する方法

迅速ウレアーゼ試験法

アンモニアに反応する試薬を投与し、胃の組織のpHを調べる方法

尿素呼気検査法

呼気中の二酸化炭素の増加を調べる検査です。

尿素呼気検査法検査の流れ
  1. 検査薬を服用する前に、検査パックに息を吐きます。
  2. 検査薬を水と一緒に飲み込みます
  3. 体の左側を下にして横になります(5分間)
  4. その後、座った状態で待ちます(15分間)
  5. 再度、検査パックに息を吐いて採取します。
注意点
  • 午前中に検査予約をされた方は前日の夜21:00以降から検査まで絶食です。
  • 午後に検査予約をされた方は朝食を7:00までにお済ませください。
  • 以下の薬を服用している場合は、医師にご相談ください ・プロトンポンプ阻害薬(PPI)・胃粘膜保護剤・抗生物質・抗菌薬・ビスマス製剤

ピロリ菌抗体法

ピロリ感染の有無を調べるスクリーニング検査です。
採血をして、血液中の抗体を測定する検査です。
抗体は感染したことが有るか無いかを確認できますが、現在の感染を必ずしも示すものではありません。

  • すでにピロリ菌に感染したことがあり、除菌歴のある方はできません。

ピロリ菌の治療の流れ

1次除菌

抗生物質と胃酸抑制薬を1週間内服します。

除菌後判定

内服後4週間以上空けて呼気検査をして除菌できているかを確認します。
除菌ができていなければ、再度薬を飲みます。(2次除菌)

2次除菌

2次除菌も1週間内服後、4週以上空けて呼気検査を行います。

治療完了

1次除菌や2次除菌で呼気検査陰性となれば治療完了です。

除菌ができても、感染の間に傷ついた胃を回復するには時間がかかります。
定期的に内視鏡検査を受けましょう。

検査費用

胃内視鏡検査で、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の診断された方は保険適用の3割負担で検査ができます。
症状がない方で検査を行いたい方は、自費診療になります。

 1割負担3割負担
尿素呼気試験550円前後1,650円前後
血清ピロリ抗体275円前後825円前後
便中ピロリ抗原330円前後990円前後
腹部エコー550円前後1,760円前後
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