胃ポリープとは
胃ポリープとは、胃の内壁にできる小さな隆起物のことをいいます。
会社の健診などのバリウム検査で指摘されることがありますが、一般的に良性でありがんになるリスクは低いです。種類により悪性に進展することがありますので、胃内視鏡検査で詳しく観察することが大切です。早期に発見されれば、内視鏡での切除や除菌による治療で対処できます。
内視鏡を使用した切除術は、ポリープが胃の表面にある場合には比較的容易に行うことができます。
ただし、大きなポリープやがん化したポリープの場合は、胃の一部を切除する手術が必要になることもあります。
胃ポリープの種類
胃底腺ポリープ
ピロリ菌の感染や炎症がない胃粘膜にできる良性のポリープです。
比較的若い方の発症が多く、加齢とともに減少していきます。
がん化するおそれが少なく、経過観察で治療の必要が無い場合が多いです。
ただし、最近ラズベリー型胃がんというものが提唱され、胃底腺ポリープの中に混在していることがまれにありますので注意が必要です。
過形成性ポリープ
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染、または感染したことがある方は発生しやすいポリープです。
良性ポリープで、ピロリ菌の除菌治療で小さくなったり、消えたりして改善します。 ポリープが肥大化すると胃に入った食べ物と擦れ合い、出血することがあります。
貧血の原因ともなりますし、大きくなると一部がん化する可能性がありますので、その場合は治療が必要になります。
腺腫性ポリープ(胃腺腫)
将来的に大きくなるとがん化するリスクの高いポリープです。
比較的小さいうちでも治療が必要になる場合があります。
胃ポリープの症状
一般的に、胃ポリープは症状がほとんどありません。
しかし、できる場所や進行することで以下のような症状が現れることがあります。
- 胃痛または不快感
- 胃もたれ
- 吐き気や嘔吐
- 食欲不振
- 貧血
手術は必要ですか?
1cm以下の小さな良性ポリープの場合、手術せず経過観察で様子をみます。
将来がん化するリスクはゼロではないので定期的に検査をしましょう。
大きい過形成性ポリープ(2㎝以上)や、ラズベリー型胃がんは胃内視鏡を使用してポリープを切除することになります。
治療が必要な場合や腫瘍性ポリープの場合、外科手術が必要な場合があります。入院での治療が必要ですので、その場合は専門の連携医療機関へ紹介いたします。