便秘とは
便秘とは、排便回数が減少し排便困難や便の硬化などの症状が続く状態を指します。
個人差はありますが、一般的に排便が4〜5日以上遅れる場合に便秘と診断されます。
排便のリズムが3日でもすっきりしていれば問題ありません。
逆に排便を毎日していてもすっきり感がないことや、「出したいのに出せない」「便意がないけどお腹が苦しい」など少しでも排便に関するお悩みがあれば“便秘”といえます。男性より女性が多い傾向がありますが、加齢とともに男性も便秘になる方が多くなります。
便秘の種類
機能性便秘
腸の機能が正常であるにもかかわらず、便秘が現れる状態です。これは、腸の運動や便を排出するための筋肉の働きに問題がある場合に起こります。腸管の「ぜんどう運動」とは通常は収縮したり伸びたりしながら、便の移動を促します。運動が弱まることで便秘が引き起こされることがあります。また、生活習慣の乱れ、ストレスや運動不足、睡眠不足などが便秘の原因となることがあります。
このほかにも、便意を習慣的に我慢してしまう方は、直腸の神経の働きがにぶくなり、便意を感じにくくなってしまいます。
器質性便秘
大腸がん、腹腔内腫瘍、クローン病、虚血性大腸炎などの病気による便秘です。
病気により腸管が狭くなり、便が通りづらくなっていることで便秘になります。
薬剤性便秘
抗うつ薬や向精神薬の服用や、下剤を飲みすぎることが原因で便秘になります。
症状
- 便が固くなり、排便が困難になる
- 便を排出する際に痛みや不快感を感じる
- 便が少量しか排出されず、感覚的な満足感が得られない
- 長時間排便に時間がかかる
- 頻尿感や尿による刺激感がある
- 腹部が張り、腹痛を感じる
- 食欲不振や胃もたれがある
- 悪臭の便やガスの発生が多い
- 疲労感や倦怠感がある
- 頭痛や不眠、不安感などの精神的な症状が現れる
原因
便秘の原因は様々ですが、主な要因としては運動不足や食物の摂取不足、ストレスなどが考えられます。
また、腸の運動(ぜん動)が低下したり、腸内環境が悪化したりすることも便秘の一因です。
さらに、悪玉菌の増えすぎやダイエットによる栄養不足なども関与していることがあります。
パーキンソン病や全身性疾患など、他の病気も便秘の原因として考えられることがあります。また、便秘と決めつけていると大腸がんの可能性もありますので大腸内視鏡検査も診断には重要です。
治療法
便秘の治療法は、まずは生活習慣の見直しや食事の改善から始めましょう。 食物繊維を豊富に含む野菜や果物、全粒穀物を積極的に摂取することが大切です。
また、水分補給や適度な運動の取り入れも便秘の改善に役立ちます。
さらに、便秘のタイプに応じて、必要に応じてお薬やサプリメントの利用も考慮されることもあります。
慢性的に続く便秘は自己判断せずに医師の指示を受けることが重要です。
医師からのメッセージ
便秘は一般的には自然に改善することが多く、薬物療法や生活改善の対策が中心となります。
まずは食物繊維を豊富に含む食事や十分な水分補給を心がけ、適度な運動やストレス解消で多くは改善されます。ただし大腸がんが原因のこともありますので大腸内視鏡検査をおすすめします。