大腸カメラ検査前の食事で検査の精度が変わる?おすすめ&NGな食事を紹介

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)の前には、腸管内をできるだけきれいな状態にするため、消化の良い食事を心がけるよう指示されることがあります。検査前に適切な食事を摂ることで、検査が円滑に進み、観察環境を整える一助となります。
本記事では、大腸カメラ検査前に食べてよいとされるもの・控えたほうがよいとされるもの、食事に配慮する理由、検査までの流れに沿った食事の摂り方について一般的な情報を紹介します。検査前の食事について理解を深めるための参考情報としてご覧ください。
大腸カメラ検査前の食事で気をつけること4つ

大腸カメラ検査前は、腸管内に内容物が残らないよう、食事内容に注意することが求められます。食事を選ぶ際の主なポイントは、以下の4つです。
- 消化の良いものを選ぶ
- 消化の良いものとは、胃内にとどまる時間が比較的短いとされる食品を指します。
- 食物繊維や種を多く含むものは避ける
- 消化されにくく、腸内に残りやすい傾向があります。
- 脂肪分の多いものを控える
- 脂質は消化に時間がかかるとされています。
- 食べ過ぎない
- 量が多い場合も、消化に時間を要することがあります。
検査前の食事では、「できるだけ早く消化されること」を意識することが基本です。以下で、具体的な食品例とその理由について説明します。
大腸カメラ検査前に食べてよいもの・控えるもの

ここでは、大腸カメラ検査前に一般的に選ばれることが多い食品と、控えたほうがよいとされる食品について紹介します。コンビニで選びやすい食品例も併せて記載しています。
※便秘傾向のある方は、医療機関の指示に従い、2~3日前から食事内容に配慮する場合があります。
大腸カメラ検査前に食べてよいとされるもの
大腸カメラ検査前に食べてよいとされるものは以下です。
- 炭水化物
-
- 白米、白粥
- そうめん、うどん、米粉めん、ビーフン、フォー(薬味なし)
- 食パン、蒸しパン、ロールパン、フランスパン(全粒粉・ブラン・ライ麦を除く)
- 餅(豆・ヨモギを除く)
- たんぱく質(皮・脂身は除く)
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- 鶏肉(ささみ、むね、もも)
- 豚肉(ヒレ、もも)
- 牛肉(ヒレ、ももなど赤身)
- 白身魚、すり身
- 卵(卵豆腐、茶碗蒸し、ゆで卵など)
- モモハム
- 野菜・果物(皮を除く)
-
- じゃがいも、長いも
- りんご、バナナ
- 桃の缶詰
- 豆類
-
- 豆腐、高野豆腐
- 豆乳、湯葉
- お菓子
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- ウエハース、チョコレート
- カステラ、卵ボーロ
- 飴
- ゼリー(果肉・こんにゃくを含まないもの)
- 牛乳不使用のプリン
- 飲み物
-
- 水、スポーツドリンク
- お茶、紅茶、コーヒー
- ジュース(果肉なし)
- コンソメスープ、味噌汁(具に注意)
- その他
-
- プロテインバー(ナッツ・ドライフルーツなし)
- 佃煮
食事量は、過量にならなければ通常量で差し支えないとされることが多いですが、消化に時間がかかる食品を摂取すると、観察環境に影響する可能性があるため注意が必要です。肉類や魚については脂肪が多い部位や加工肉は避け、油を使わない方法で調理しましょう。
大腸カメラ検査前に控えたほうがよいとされるもの
大腸カメラ検査前に控えたほうがよいとされるものは以下のとおりです。
- 炭水化物
-
- 玄米、胚芽米、雑穀米
- そば、中華麺、パスタ
- ライ麦パン、クロワッサン、ピザ
- 全粒粉、ブラン
- たんぱく質
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- 脂身の多い肉(バラ、ロースなど)
- 加工肉(ベーコン、ソーセージ)
- 青魚、甲殻類、貝類
- 魚卵、干物
- 野菜・果物
-
- 食物繊維の多い野菜全般
- 種の多い果物、柑橘類
- ドライフルーツ
- その他
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- ナッツ、ごま
- きのこ類、海藻類
- 揚げ物
- 乳製品、アルコール
これらは腸内に残りやすいとされるため、前日だけでなく数日前から控えるよう指示される場合があります。詳細な制限期間については、必ず医療機関の指示に従ってください。
牛乳は消化が良いように感じますが、膜となって大腸の粘膜に残りやすいため、牛乳そのものはもちろん、プリンのように成分に牛乳が含まれるものも控えるよう指示される場合があります。
コンビニで選ぶ検査前日の食事例
自炊が難しい場合でも、コンビニで選べる食品があります。
- 白米パックご飯、レトルト粥
- おにぎり(海苔を外し、具は鮭・ツナなど)
- 食パン、蒸しパン
- うどん、そうめん(具・揚げ物なし)
- サラダチキン(プレーン)
- かまぼこ、ちくわ
- 栄養補助食品(こんにゃくゼリーを除く)
検査前の食事セット(専用食)
医療機関や市販品として、検査前に配慮された食事セット(専用食)が用意されている場合があります。調理や食品選びに不安がある方は、こうした製品の利用を検討する方法もあります。
大腸カメラ検査前の食事に配慮する理由

検査前の食事管理は、腸内環境を整えることを目的としています。消化の良い食事を選ぶことで、未消化物が腸内に残りにくくなると考えられています。消化の良い食事が大腸カメラ検査にとってどのようなメリットをもたらすかを紹介します。
消化時間への配慮
消化の良いものを選ぶと、食べたものが胃に滞在する時間を短縮できるため、効率よくお腹の中を空にできます。一般に、糖質、たんぱく質、脂質の順に消化に時間がかかるとされています。煮る・茹でる・蒸すなど、油を使わない調理法が選ばれることがあります。
観察環境への影響
腸内に内容物が残っていると、内視鏡観察が行いにくくなる場合があります。そのため、前処置が円滑に進むよう、事前の食事内容が重要とされています。検査前日に消化の良いものを選ぶことで、未消化のものを大腸に残しにくくなり、効率的な大腸内の洗浄やスムーズな検査につながります。
食事によるストレスを大腸に与えない
大腸カメラ検査でベストな状態の大腸を検査することは、病気発見のために必要であり、また検査中のトラブル防止にもつながります。ダイエット系の健康食品は少量でも消化しにくい特徴があるため、検査前は休みましょう。また、ダイエット中やダイエット目的で糖尿病の薬を飲んでいる場合は、検査前の絶食によって低血糖を起こしやすいです。
他にも、薬を使用している場合は事前に必ず医師に伝えましょう。アルコールは血流が上がるため、検査で生検が必要だった場合に血が止まりにくくなったり出血量が多くなったりする可能性があり、注意が必要です。
大腸カメラ検査の流れと食事の摂り方

低残渣食(ていざんさしょく:腸に食物繊維やカスが残りにくく消化の良い食事)を意識してメニューや食材を選ぶことが大切ですが、摂るタイミングも重要です。検査の流れに沿って、食事内容やタイミングについて説明します。具体的な指示は医療機関ごとに異なるため、必ず個別の指示を優先してください。
検査2~3日前
低残渣食を意識し、消化の良いメニューを選ぶことがあります。以下のようなメニューやレシピで食事制限を開始しましょう。主食は上述のリストを参考にしてください。
- おかず
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- 白身魚の煮つけ・焼き白身魚(皮を除く)
- 焼き鮭(皮を除く)
- 豆腐と白身魚の煮込み
- 温泉卵・卵焼き・茶碗蒸し・オムレツ・目玉焼き・卵豆腐
- ささみの蒸し鶏
- 牛ヒレソテー
- 魚肉ソーセージ(素焼きなど)
- お刺身(青魚を除く)
- 大根の煮込み
- はんぺんのそぼろあんかけ
- 車麩の煮もの
- 汁物
-
- 豆腐と卵のスープ
- コンソメスープ
- コーンポタージュ(前日は具なし)
- 味噌汁(具はじゃがいも・豆腐・かきたまなど。前日は具なし)
- 丼ものなど
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- 卵とじうどん(具は卵のみ)
- 鶏ひき肉と豆腐のあんかけ丼
- 温玉のせそうめん(薬味は除く)
- かに玉にゅう麺
- 湯葉あんかけ丼
- 鮭フレーク・鶏そぼろ・炒り卵の三色丼
- ゆで卵とささみのロールパンサンド
- 素うどん(前日)
- 雑炊(具は白身魚やささみ・鶏むねなど。前日は具を控えめに)
- 卵粥
- 間食
-
- ビスケット・クラッカー・プリン・カステラ・蒸しパンなど
検査前の食事は前日が最も重要ですが、できれば2日前から、便秘がちな方は3日前からの開始が推奨されることがあります。物足りなさを感じると思われますが、食べ過ぎるとその分消化に時間がかかってしまうため、量には気をつけましょう。
検査前日
検査前日の夕食はクリニックからの指示通りの時間までに済ませましょう。一般的には20時までに済ませるよう指示があります。脂質と食物繊維を抑え、うどんやお粥など消化の良いメニューを選ぶようにします。前日の夜の食事はなるべく具を控えめにし、翌日の検査に臨みましょう。
飲み物は指定時間以降でも飲んで構いませんが、ジュースやコーヒーなど色が着くもの・お酒は控えてください。
検査当日の朝
検査当日の朝は原則として絶食となり、水やお茶のみ可とされる場合が多いです。検査をする医療機関の指示に従いましょう。
来院・前処置・検査
下剤を飲んでから来院したり、来院してから飲んだりと、医療機関によって異なる場合があるため、事前の指示に従って前処置を行います。下剤による前処置では、便が透明な黄色になる=大腸内がきれいになるまで待ちます。また、鎮静剤を使用する場合は点滴が行われます。
検査中はガスが出る可能性がありますが、胃カメラ検査のげっぷのように我慢する必要はないため、遠慮せずに出しましょう。
検査後
検査後の大腸内は過敏な状態になっているため、食事についても注意が必要です。特にポリープ切除または生検をした方は、数日間は食事に注意が必要です。検査内容によって食事制限が異なるため、医師の説明に従ってください。
ポリープ切除や生検後の食事
ポリープ切除は生検よりも出血のリスクが高いため、食事についても注意が必要です。
生検を行った場合、当日は刺激物を控え、翌日から通常通りに戻しましょう。ポリープ切除した場合は大腸粘膜が一時的に損傷しているため、出血するとすれば1週間以内が多いとされています。そのため、検査後1週間は飲酒や刺激物を控え、上で紹介したような検査前のメニューのような食事を摂ります。
コーヒーは摂り過ぎなければ飲んでもよいとされることもありますが、医師の指示に従いましょう。また、水分をこまめに摂るようにして、1週間を過ぎたら通常の食事に戻しましょう。
まとめ
大腸カメラ検査前の食事は、検査を円滑に行うための重要な準備の一つです。検査前の指示を守り、適切な食事管理を行うことで、落ち着いて検査に臨むことができます。横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニックでは、地域医療への貢献を目指し、検査に関する一般的なご相談にも対応しています。大腸カメラ検査について不安や疑問がある場合は、医療機関へ相談することをご検討ください。
記事監修者
横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック
院長・医学博士
久行 友和

経歴
- 2003年3月
昭和大学医学部卒業
その後昭和大学横浜市北部病院消化器センターとその関連病院勤務 - 2015年11月
昭和大学横浜市北部病院消化器センター 講師 - 2022年4月
昭和大学横浜市北部病院 人間ドック室 室長兼任 - 2023年11月
横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長
資格
- 日本消化器内視鏡学会 学術評議員
- 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
- 日本消化器内視鏡学会 指導医
- 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
- 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
- 日本内科学会 認定医
- 日本消化管学会認定 消化管専門医・指導医
- 日本医師会 認定産業医
- 日本大腸検査学会 評議員