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胃カメラで死ぬかと思った方へ|検査のメリットや苦痛を軽減する工夫を紹介

2026.03.27

「胃カメラはつらそうで不安」「過去に胃カメラ検査で強い苦痛を感じたことがある」そのような経験やイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

胃カメラ検査では、喉の違和感や嘔吐反射(咽頭反射)、息苦しさ、胃を膨らませる際のお腹の張りなどを感じることがあり、検査に対して抵抗を感じる方も少なくありません。また、検査経験がない方の中にも、「つらい検査」という話を聞いて受診をためらっている方もいるでしょう。

この記事では、胃カメラで苦痛を感じやすい原因や、苦痛を軽減するための工夫について解説します。胃カメラに不安がある方や、初めて検査を受ける方、過去の経験から検査に抵抗を感じている方は、参考にしてください。

胃カメラで苦痛を感じる原因

胃カメラに使用する内視鏡スコープ

胃カメラは、鼻や口から内視鏡スコープを挿入し、上部消化管の状態を観察する検査です。検査中に苦痛を感じる主な原因として、以下が挙げられます。

  • 嘔吐反射
  • 息苦しさや喉の違和感
  • お腹の張り

それぞれについて解説します。

嘔吐反射

胃カメラ検査では、嘔吐反射(えずき)を感じることがあります。嘔吐反射は、舌の奥や喉に異物が触れた際に起こる生理的な防御反応です。特に経口内視鏡では、スコープが喉を通過するため、嘔吐反射が起こりやすい傾向があります。

息苦しさや喉の違和感

検査中、息苦しさや喉の違和感を覚える方もいます。経口内視鏡では鼻呼吸が必要になるため、鼻づまりがある場合は息苦しさを感じやすくなります。

また、スコープが喉に触れることで、一時的な刺激や違和感が生じることがあります。この痛みは一時的なものですが、検査への恐怖から口内に力を入れると、痛みや違和感が強くなりやすいため注意が必要です。

お腹の張り

胃カメラ検査では、胃の内部を観察しやすくするために空気を注入します。この空気によってお腹の張りを感じることがありますが、空気が体外に排出されることで徐々に軽減します。クリニックによっては、吸収の早い炭酸ガスを使用し、張りを軽減する工夫が行われています。

胃カメラで強い苦痛を感じやすい方の特徴

胃カメラへの不安を相談している様子

胃カメラ検査で苦痛を感じやすい方には、以下のような傾向があります。

  • 嘔吐反射が強い
  • 強い不安や緊張を感じやすい
  • 過去の検査経験が心理的負担になっている

それぞれの原因について解説します。

嘔吐反射が強い

嘔吐反射の強さには個人差があります。反射が強い方は、検査中の違和感を強く感じやすい傾向があります。

強い不安や緊張を感じやすい

検査に対する不安や恐怖心が強いと、身体がこわばり、苦痛を感じやすくなることがあります。

例えば、パニック障害や嘔吐恐怖症がある場合、胃カメラの苦痛が強くなる可能性があります。パニック障害では、不安や恐怖によって激しい動悸や息苦しさなどの症状が突発的に現れますが、検査に伴う緊張や不安がきっかけとなる可能性があります。

嘔吐恐怖症は、自分や他人の嘔吐に対して強い恐怖を感じる不安障害の一種です。これらの症状がある方は、検査が受けられない可能性があります。

過去の検査経験が心理的負担になっている

過去に胃カメラで強い苦痛を感じた経験があると、次回以降の検査に不安を感じやすくなる場合があります。検査への抵抗感が強くなることで、必要な検査を受けるタイミングが遅れる可能性もあるため、苦痛軽減への配慮が重要です。

胃カメラを苦痛の強い状態で行う際の注意点

胃カメラへの不安や苦痛を相談する様子

苦痛が強い状態で検査を行うと、以下の点に注意が必要です。

検査の進行に影響する可能性

検査中に身体が緊張したり動いたりすると、観察に時間がかかる場合があります。

苦しい状態で検査を行った場合、患者さんの動きが大きくなることで胃の中を丁寧に観察しづらくなることもあるため、苦痛を和らげる工夫は、検査を円滑に進めるうえでも重要です。具体的にどんな対策が取れるか、前もって医師に相談しておくといいでしょう。

安全面への配慮

苦痛を伴う状態で胃カメラを受けると、検査の安全性が低下する可能性があります。

胃カメラを受ける患者さんのなかには、検査中に無意識のうちに暴れてしまう方が稀にいます。検査中に大きな動きが生じると、安全面への配慮が必要となることがあります。状況によっては、検査を中止する判断が行われることもあります。

胃カメラを受けるメリット

医師が胃カメラに使用する機器を操作している手元

胃カメラ検査には、以下のような利点があります。

  • 上部消化管疾患の早期発見につながる
  • 消化管内部を直接観察できる
  • 必要に応じて組織採取や処置が可能

それぞれのメリットについて紹介します。

上部消化管疾患の早期発見につながる

胃カメラは、症状が出にくい疾患の早期発見に役立つ検査です。定期的な検査により、異常の早期把握につながる可能性があります。

特に胃がんは自覚症状が出にくく、胃痛や胸やけなどの症状があっても放置されることがあるため、発見された頃には既に進行しているケースも少なくありません。定期的に検査を受けることで、早期の段階で治療につなげられる可能性があります。

消化管内部を直接観察できる

胃カメラは映像で消化管内部を直接観察できるため、粘膜の色調や形状の変化を確認しやすい点が特徴です。小さな病変でも発見しやすいほか、色や形、大きさなどを確認することにも長けています。早期の胃がんやポリープをはじめ、食道がんや逆流性食道炎、ピロリ菌感染や胃潰瘍などの発見や原因の特定に有効です。

また胃の疾患には、機能性ディスペプシアのように、器質的な異常がないにも関わらず胃の諸症状が現れるものもあります。その場合は、原因となる他の疾患がないか確認するために胃カメラが必要です。

必要に応じて組織採取や処置が可能

胃カメラ検査中に必要と判断された場合、組織検査や後日治療が行われることがあります。病変を早期発見できれば、胃カメラによる切除のみで治療が完了できる可能性があり、開腹手術のように皮膚表面に目立った傷跡も残る心配がありません。

胃カメラで苦痛を軽減するための工夫

医師が胃カメラの検査内容を説明している様子

苦痛を軽減するために、以下のような工夫が考えられます。

  • 経鼻内視鏡の選択
  • 鎮静剤の使用
  • リラックスした姿勢で検査を受ける
  • 事前に検査内容を理解しておく
  • 内視鏡検査に精通した医師による検査

それぞれの工夫について解説します。

経鼻内視鏡の選択

経鼻内視鏡は経口内視鏡よりも苦痛を感じにくいため、鎮静剤なしの経鼻内視鏡を推奨しているクリニックも多いです。

2つの検査の大きな違いは嘔吐反射の有無で、経鼻内視鏡は胃カメラで苦痛を感じる代表的な原因である嘔吐反射を軽減できる特徴があります。経口内視鏡を受けて、つらい経験をしたことがある場合は、経鼻内視鏡を検討してみてもいいかもしれません。

鎮静剤の使用

胃カメラは、鎮静剤を使うことで苦痛を和らげて検査しやすくなります。

スコープを挿入する際の不快感を軽減するだけではなく、ウトウトした状態で受けられるため、検査自体に不安や恐怖を覚える方におすすめです。ただし、妊娠・授乳中の方や持病がある方、使用薬剤に対するアレルギーがある方は使用できない可能性があります。また、鎮静剤を希望する場合は車の運転や検査後の過ごし方に注意点が多いため、事前の確認が必要です。

リラックスした姿勢で検査を受ける

胃カメラで苦痛を感じやすい方は、正しい姿勢でリラックスして受けることで楽になる可能性があります。検査を受ける際の体勢は左側臥位(左側を下にした横向き寝)が基本で、胃の内容物が逆流したり、胃液を誤飲したりするのを防止するのに適した体勢です。

検査をしているうちに顔を退けたり、体勢が変わったりしないよう、深呼吸をして力を抜くとリラックスにつながります。経鼻内視鏡の場合は、反対の鼻を試すことで痛みが和らぐケースもあります。

事前に検査内容を理解しておく

初めて胃カメラを受ける方は、事前に検査のイメージをすることで不安を解消しやすくなります。

スコープが消化管内を通過する際、部位によっては押し込む必要があります。特に喉を通過する時や、胃から十二指腸にさしかかる時はカーブがきつく、スコープに力がかかるため、苦痛を感じやすいです。また、胃を観察する際には内部を空気で膨らませる必要があり、ゲップやお腹の張りを我慢するのがつらい場合もあります。

スコープ挿入の苦しいポイントや空気を注入するタイミングを事前に把握したり、医師・看護師に声掛けをしてもらったりすることで、心構えをする余裕が生まれるでしょう。

内視鏡検査に精通した医師による検査

胃カメラの苦痛の度合いは、内視鏡を取り扱う医師の技術によって左右されるため、経験が豊富な医師による検査を受けましょう。例えば、内視鏡専門医の資格は医師を選ぶ際の一つの目安にできます。

内視鏡専門医とは、日本消化器内視鏡学会から認定を受けた、内視鏡の専門知識と技術に長けた医師を指します。内視鏡専門医の在籍の有無は、クリニックの公式HPで確認できるケースが多いです。

胃カメラが受けられない場合の代替検査

胃カメラの代替となる検査の説明を受けている様子

体調や状況によって胃カメラが難しい場合、他の検査が検討されることがあります。これらの検査にはそれぞれ特性があり、目的に応じて医師と相談のうえ選択することが大切です。

胃部X線検査

胃部X線検査は胃バリウム検査とも呼ばれ、バリウムを飲んでからレントゲン撮影を行い、上部消化管の凹凸を観察します。隆起や陥凹の有無を確認できるため、潰瘍やポリープなどの胃カメラで調べられる病変の発見が可能です。

胃カメラよりもコストを抑えられますが、検査精度が劣るため小さな病変や早期のがんを見落とすリスクが高まります。

ABC検査

ABC検査は、ピロリ菌感染の有無や胃の萎縮度を調べる検査です。ピロリ菌感染による胃粘膜の萎縮は、胃がんの大きなリスク要因となります。

ABC検査では、血液検査の結果によってA~D群の4段階に分類し、胃がんのリスクを判定します。胃カメラよりも身体への負担が軽減できますが、詳細な検査ではないため確定診断が難しく、疾患そのものの発見には不向きです。

尿素呼気試験(ピロリ菌に感染しているかどうか)

尿素呼気試験は、検査薬の服用前後の呼気に含まれる二酸化炭素濃度を測定し、ピロリ菌感染の有無を判定する検査です。

すでに胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの診断を受けている方は保険適用で受けられますが、健康診断の一部として自費で追加することも可能です。呼気の採取と薬の服用だけの簡易的な検査であるため、身体への負担が少ないです。

まとめ

胃カメラ検査は、不安や苦痛を感じる方もいる検査ですが、検査方法や工夫によって負担を軽減できる場合があります。過去の経験や不安がある方は、事前に医師へ相談し、自分に合った検査方法を選ぶことが重要です。横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニックでは、患者様の状態やご希望に配慮しながら胃カメラ検査を行っています。消化器内科診療や健康診断などにも対応しておりますので、気になる症状がある方はご相談ください。

記事監修者

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック

院長・医学博士

久行 友和

横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長・医学博士 久行 友和

経歴

  • 2003年3月
    昭和大学医学部卒業
    その後昭和大学横浜市北部病院消化器センターとその関連病院勤務
  • 2015年11月
    昭和大学横浜市北部病院消化器センター 講師
  • 2022年4月
    昭和大学横浜市北部病院 人間ドック室 室長兼任
  • 2023年11月
    横浜駅前ひさゆき消化器内科・内視鏡クリニック 院長

資格

  • 日本消化器内視鏡学会 学術評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 指導医
  • 日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会認定 消化器病専門医
  • 日本内科学会 認定医
  • 日本消化管学会認定 消化管専門医・指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 日本大腸検査学会 評議員
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